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  • shikiko7

【新型コロナ問題②】中国-台湾便に対して、各航空会社は運航中止など厳しく対応



2003年のSARS発生時に346名の感染者と73名の死者を出した台湾。この経験を教訓に、台湾政府は新型コロナウイルスに対して迅速かつ厳重な対応をとっている。2月4日には過去14日以内に中国に滞在していた外国人の入国の禁止を発表(施行は7日から)。2月6日~7日には、台湾への入国制限を次のように規定した。


  1. 中国・香港・マカオに渡航歴のある台湾人は、14日間の在宅検疫が必要

  2. 香港・マカオへの入境許可を得た人は、14日間の自主的健康管理が必要

  3. 香港・マカオ籍の人は、入国後14日間の在宅検疫が必要

  4. 14日以内に中国、香港、マカオに入国、もしくは居住した外国籍の人は、しばらくの入国停止。ビザの申請もしばらく停止する

  5. 14日以内に中国、香港、マカオに入国、もしくは居住した台湾の居留証を持っている外国籍の人は、台湾に入国した後居住制限を行い、14日間の在宅検疫が必要

  6. 中国、香港、マカオに居住した外国籍の人の入国は入国禁止 


さらに2月10日には、中国、香港、マカオで飛行機を乗り継ぎ、台湾に帰国した台湾人は、14日間の在宅検疫が必要となった。


こうした政策を受け、航空会社は運航の中止や調整に追われている。特に、前述の2月6日~7日の発表により、運航路線の状況は一変した。そんななか、新型コロナウイルスに関する発着状況や、航空券などの扱いに関するホームページを特設して、情報のアナウンスにも努めている。台湾旅行業界誌「TTN旅報」は台湾、中国の航空会社と、台湾の旅行業界を統括する連合会などの対応を取材した。



エバー航空

毎日400名近く変更手続きを求める旅行客へのサービスを、中断することなく続ける


エバー航空は2月1日~2月29日の中国-台湾線532便の運航を中止した。さらに2月7日には、2月10日~4月29日の中国―台湾の路線の北京、上海浦東、上海虹橋、厦門、成都の5つの就航点の一部の発着便だけ保留し、他の中国への便はすべてキャンセルすると発表。


春節休みが終わり、台北本社へ航空券の変更の手続きを求める人は毎日約350~400名にのぼる。現場スタッフによると、中国-台湾線のほか、東南アジア、アメリカ、オーストラリアなども含まれる。


イタリア政府は1月31日に中国、香港、マカオ、台湾に対し、4月までの一時的な乗り入れ禁止措置を通達した。そのため、2月18日に就航予定だった台北-ミラノ線は出発日を延長した。同じく4月2日に就航予定の台北-プーケット線も6月23日へ延長した。台北-ミラノと台北-プーケットの航空券の変更、払い戻しは手数料が無料となる。


さらに、教育部による、冬休みの延長及び夏休み初日の延期(※1)の防疫対策に合わせて、子会社のユニー航空とともに、夏休み期間の航空券を予約した旅行者にも変更・払い戻しの手数料を無料とする。


6月30日~7月15日の間に台湾から出発する航空券を予約し、2月3日までに発券した場合は、即日から2月10日まで日付の変更が可能だ。そして、元の航空券と同路線で同クラスの再発券、もしくは払い戻した場合の手数料は1回のみ無料となる。


もしマイレージによる航空券や、アップグレードをしていた場合も同じく対応する。しかし、無料チケットや割引チケットは今回の規範内に含まれない。


これらの変更・払い戻しは、公式ホームページで行うか、エバー航空の問い合わせ窓口で受け付ける。


※1冬休みが2月24日まで延長されたことにより、夏休みの始まりが7月15日からとなる



チャイナエアライン

特設サイトで航空券の払い戻しに対応


2月頭には武漢、徐州、香港、杭州、北京、長沙、南昌、南京、厦門、温州、三亜、塩城、以上の路線、全376便の運航を中止、そのほか大型機を小型機に変更した路線も47便あった。


だが2月7日には、エバー航空と同じく2月10日から4月29日まで、中国-台湾線は北京、上海浦東、上海虹橋、厦門、成都の5つの就航点の一部の発着便だけを提供し、ほかの中国への便は一時停止すると発表した。現在、公式ホームページには20日以内の欠便を公告している。4月29日前までの中国の5都市(北京、上海浦東、上海虹橋、厦門、成都)-台湾線の欠便も続々と決まっている。


チャイナエアラインのホームページを通して予約した旅行者は、航空券の払い戻しの申請が特設サイトから行える。一方、旅行会社を通して購入した航空券については、旅行会社に問い合わせる必要がある。チャイナエアラインは特設ホームページにQ&Aも設置し、旅行者の疑問に対応している。



タイガーエア台湾

航空券のクレジットカード利用での返金作業には4週間の見込み


タイガーエア台湾はマカオ便が桃園発1日4便(週28便)、台中発1日1便(週7便)、高雄発1日1便(週7便)で運航していた。しかし新型コロナウイルスの影響により、2月の発着便数を、桃園発1日2便、台中発週6便(2月6日、2月13日、2月20日の3便のみを中止)、高雄発週6便(2/6、2/13、2/20の3便のみを中止)に調整した。運航中止となった便数はトータルで52便となる予定だった。


このように、マカオ便はかろうじて数本運行している状態だったが、2月6日~7日の政府の規定を受け、全キャンセルを決めた。(運航中止期間は、桃園発2月12日~3月31日、台中及び高雄発2月7日~3月31日)


キャンセル対象便の旅行者に対しては、航空券を購入時に使用したクレジットカードアカウントに返金する。旅行客はフォームの入力や問い合わせる必要はない。しかし、銀行への返金作業は約4週間かかり、詳しい返金時期についてはクレジットカード会社に問い合わせる必要がある。



スターラックス

1月23日に運航開始の新規航空会社は、3月28日までマカオ路線を一時停止


新型コロナウイルスの収束の見込みがないため、マカオへ行く旅行客の意識に大きく影響を及ぼすと判断し、3月28日までのマカオ路線を一時停止すると発表した。3月29日から毎日1便、6月1日からは毎日3便に戻す予定。防疫対策として備品の消毒を強化し、スタッフ全員がマスクをつけ、全力で衛生福利部(保健省)疾病管制署の政策に合わせる。


旅行者がもし2月3日以前に発券した1月24日~5月31日の桃園-マカオの往還航空券を持っている場合、本来の出発日より前にスターラックスの問い合わせセンターに連絡すれば、5月31日までは航空券の変更もしくは払い戻しができる。変更/払い戻しの手数料は1回のみ無料。旅行会社を通して予約した旅行者は、発券した旅行会社に連絡する必要がある。


スターラックスは新型コロナウイルスの動向に注意し、発着便の調整の対応を適時行う。公式ホームページもしくはアプリで最新のインフォメーションを確認できる。



中国の各航空会社

航空券のキャンセル率は平均約70%。各社とも大幅な減便を決行


中国、台湾間においては、ツアーがほとんど中止となった。また、ヨーロッパ、アメリカへのツアー商品はすべて中国(北京、上海、杭州、成都)で乗り継ぎが必要なため、こちらも同じく影響を受けている。


統計によると、2月の中国-台湾発着便のキャンセル率が、中国国際航空60%、中国東方航空約70%、四川航空80%超、山東航空80%超、厦門航空約50%となっている。



旅行業全国連合会&品質保障協会

旅行会社が契約解除を処理する場合は、旅行定型契約に基づき処理するよう呼びかける


多くのツアーが出発できない事態になっているため、旅行会社が旅程の変更、契約解除や払い戻しなどの問題に対応する場合、品質保障協会と旅行業全国連合会は、2月6日に以下の旅行契約処理原則を示した。


●個人で購入した航空券をキャンセル・払い戻しする場合、各航空会社の規定に従うか、購入した旅行会社に問い合わせる

●ツアー参加者の契約解除原則は次の通り

  1. 中国大陸:国外旅行定型化契約第14条(出発前の法定に則った契約解除)に基づき処理する。旅行会社は代理の行政手続き料金もしくは必要な費用は差し引き、残りは全額旅行者に返金する

  2. 香港、マカオ:(1)2月6日以前にキャンセルする場合、国外旅行定型化契約第13条(出発前の旅行客による契約解除及び責任※)に基づき処理する。(2)2月6日~2月29日(台湾政府が定めるツアー禁止期間)にキャンセルする場合、上記①と同じく国外旅行定型化契約第14条に基づき処理する。

  3. イタリアのように台湾の就航が禁止されたり、中国大陸での乗り継ぎによって他国への入国が拒否された場合、国外旅行定型化契約第14条に基づき処理する(①と同様)

  4. ①②以外のほかの国に向かう旅行者が契約解除を望む場合、国外旅行定型化契約第13条に基づき処理する。クルーズが寄港できない場合、国外旅行定型化契約第14条に基づき処理する。


※2 「旅行開始の41日前に契約解除した場合には、旅行費用の50%を支払う」などの違約金に関する条項。詳しくは国外旅行定型化契約範本

 

文:TTN TEAM、翻訳·編集:JTアライアンス・インバウンド大学@台湾編集部

【TTN旅報1128/1129期, 2020/2/10発行, P14-17】

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