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  • shikiko7

【続報】新型コロナウイルスによる台湾旅行市場への、深刻化する影響



依然として新型コロナウイルスの問題が日々語られている。台湾では現在、マスクの購入のためには健康保険カードによる本人確認が必要となり、指定薬局のみ週2枚の販売と限定されている。夕方には売り切れてしまうため、指定薬局にはオープン前から列をなしている。「マスクより手洗いが最重要」と繰り返し報道されているが、それでもマスクの需要は非常に高い。


また、「マスクとトイレットペーパーの原材料が同じため、トイレットペーパーも不足する」というデマがインターネット上で拡散され、スーパーなどの棚からトイレットペーパーが消えるという事態に。政府は直ちに「トイレットペーパーとマスクの原材料は違う」とアナウンスし、このデマの発信者をつきとめた。


学生たちは春節から冬休みに入っていたが、高校以下は本来11日だった始業式を25日に延期。その分夏休みの開始を遅らせ、7月14日からとなる。


そんななかではあるが、人々は基本的には粛々と日々を過ごしている。しかし、生活に根付いている「旅行」への動向には確実に大きな変化が起こっている。既報の台湾の旅行業界の状況から、さらに新しい情報をお伝えする。



行政(交通部等)の対応

  • 2月1日~29日の中国本土へのツアーを停止

  • 2月6日~29日の香港・マカオへのツアーを停止(ただし同地での乗継は引き続き可)



航空業界

交通部の統計によると、2月度の運航停止は4分の1に相当する1,200便以上。運航禁止エリアが中国本土から香港・マカオへ拡大したことも影響している。減便、座席の供給数減少、乗継便利用への転換などにより航空券が高騰という状況に。


1月31日にイタリア政府は、台湾籍エアラインの乗り入れを暫定的に禁止した。観光局の統計によると、イタリア停留台湾人は24ツアー768人、その他自由旅行も含めると、2週間以内に帰国予定の台湾人旅客は1,500人強とのこと。一部ツアーは、乗継便への振替にて対応する(費用等は旅行社負担)。


【チャイナエアライン】

1月29日より中国路線の運航停止を開始し、後に香港へ拡大し、停止便数は164便に及ぶ。また、ローマ便全便の運航停止を発表した。2月2日には、前述の在イタリア台湾人帰国用フライトを実施。人件費を削るため、新人CAの受け入れ延期することになった。


【エバー航空】

2月5日~2月29日の中国路線の運航を停止し、週100便以上に影響が及んだ。新規就航のミラノ便(2月18日就航予定)、プーケット便(4月2日就航予定)の就航延期を決定。


【スターラックス】

1月23日に就航したスターラックスは、2月8日~3月29日のマカオ便を全面運航停止。3月30日以降は、6月まで週1便にて減便運行する。運行キャンセルは全126往復便になる。


【タイガーエア台湾】

2月27日~3月31日の台湾各地(桃園・台中・高雄)出発のマカオ便を全便運航停止。


【キャセイパシフィック】

3月1日~6月30日に3週間の無給休暇を実施。



旅行会社

多くの旅行会社のサイトでは、3月までの中国本土ツアーは閉鎖、香港・マカオツアーも閉鎖状態になっている。


品質保証協会の推計では、3月末までの旅行社の損失は1200億元に達する見込み。一部旅行社は従業員の無給休暇、解雇を検討している。そのため交通部、労働部へ救済策を要求も。台湾は2月28日~3月1日が3連休となるが、この時期の売り上げを見込んでいた旅行会社の連続倒産、ガイドの無収入などへの影響が懸念される。


中国本土だけではなく、日本、韓国、東南アジアへのツアーにも影響が波及し、キャンセルが相次いでいる。感染への懸念のほかに、出国中に運航停止になることなどへの危機感も一因だ。


【五福旅行社】

旅客の4割を占める香港・マカオについて、ビジネス利用・ツアーともにほぼゼロに。


【雄獅旅行社】

3月までの中国、香港、マカオのツアーを中止、全額返金対応。2月29日までの損失は約2億6000元(約9億5000万円)が予想される。


【可樂旅遊】

3月までの中国本土ツアーは一律中止し、他ツアーへの振り替えには値引き対応。1万人以上の旅客に影響が生じ、損失は約2億5000億元(約9億1000万円)見込み。


【喜鴻旅行社】

4月30日出発までの中国本土ツアーを中止し、必要経費を除く返金、もしくは他国ツアーへの振り替えで対応。


【ezTravel】

1万5000人以上に影響、損失は約1.5億元(約5億5000万円)。


【KKday、KLOOK】

両社とも2月29日までの出発の中国本土、香港、マカオの旅客の予約を取り消し、全額返金。


 

文:JTアライアンス・インバウンド大学@台湾編集部

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