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【ITF台北国際旅行博ルポ③】2019年総決算。ITFの各社売れ行きはいかに?

旅行会社苦戦のなか、航空会社は満足。オンラインでのフェアが会場を越える


4日間の販売合戦の場でもあるITF台北国際旅行博が終了し、今年も笑う会社、泣く会社さまざまだった。全体を調査した結果を分析すると次の通りである。

① 会場では依然として日本商品の取引が多くを占め、なかでも北海道の商品が最多 ② 航空会社が販売した航空券がよく売れた。おそらく抽選とディスカウントキャンペーンの効果による  ③ 旅行会社は多くが厳しい結果となった。豊富に旅行商品を準備したが、あまり売れなかった。ITFに対する評価もおしなべて高くなかった  ④ ホテルは宿泊券より食事券が売れたが、オンラインITF(※)で同時販売した成績が会場での売上を超えたため、事業者の満足度は高くなかった

※ITFの開催に合わせて、旅行会社や観光業者が、自社ホームページ上で独自にフェアを開催することが近年増えている


日本エリアへの出展希望が殺到するも、売上は20~30%減


PR要素の豊富な日本ブースエリアは、会場で毎年最も購買意欲が高く人気の一角だ。かわいい贈呈品や賞品プレゼントをめぐり、大勢の来場者たちによる熱い争奪戦が繰り広げられる。つまり、それだけ集客を見込めるエリアなのだ。そのため、日本商品を扱う旅行会社のなかには、旅行会社エリアではなく日本エリアでの出展を希望するところがある。


しかしここ数年、不況や政治など社会環境の影響なのか、ITFは疲れるイメージがあるからなのか、全体として今年の日本エリアの人出と購買意欲はどちらもかなり下がった。会場での売上は約20~30%落ち、実際期待ほどではなかった。


旅行会社全体に目を向けると、自由旅行を選ぶ人が増え続けている影響で、旅行会社のブースを訪れた来場者はただ話を聞いて値段を尋ねるだけなため、ツアー商品の売上は年々下降している。成績がよかったのはチケット類だ。そして業界全体の業績が年々落ちているせいで、多くが今年はブースを縮小したり、参加を見合わせたりした。


いっぽうで、ITFはやはり台湾最大の旅行博であり、今年の来場者は延べ38万人に達し、昨年の37万からやや増加した。そのため事業者にとっては参加する価値があると捉える事業者もまだ多い。

《ITFを振り返る出展者たちの声》



喜鴻旅行社 

交通が不便な冬の北海道、格安の九州はツアーでも人気


FITが増えていくなか、ツアー商品で最も売れたのは日本と韓国、それと長距離便の商品です。なかでも北海道と九州の問い合わせが多く寄せられました。北海道は冬の交通が不便で自由旅行にはあまり向かないため、九州は割安だったためでしょう。

南港展覧館は会場が広く風通しもよいため空間としては快適ですが、立地的にはやはり世界貿易センターの方が有利です。世界貿易センターは来場者が帰りに周辺の台北101やデパートに寄ることができますが、南港展覧館にはこのような長所はありません。


今回のITFの評価は59点。主催者は今後、ITFに参加することで旅行会社が利益を出せるように考えていただきたいです。



大興旅行社 

価格にシビアな消費者に向け、格安北海道ツアーを用意


日本旅行専門の弊社で最もよく売れたのは、北海道の商品です。来場者の多くは、価格比較をしながら会場を巡ります。私どもは北海道の格安パッケージツアーを会場で販売していましたので、お客様の購買意欲は比較的高かったといえます。


KLOOKクルック 

ブランドの周知を目的に初参加。日本商品は交通やレジャーのチケットが人気


ITFには今年、初参加しました。ITFにからめたオンラインでのフェアはITF終了後もまだ開催中ですが、会場での売上に関する限り、最も人気が高かったのは日本の商品です。


たとえば日本のレジャーランドや交通チケット(ジャパン・レール・パス、周遊券、地下鉄乗車券など)で、いずれも開催中の問い合わせが最も多く、最もよく売れた商品でした。その次はタイと韓国で、欧米の商品に対する問い合わせも多く寄せられました。


商品の種類別では、空港送迎、列車や地下鉄のチケット、交通カードなど交通関連商品の人気が高く、次いで海外旅行の必需品SIMカードとWi-Fiルーターがよく売れました。


また、目的地によって売れる商品が異なることも分かりました。日本は交通チケットとレジャーランドのチケットが、東南アジアでは日帰りツアー、体験イベントが主です。


ITFへの参加はブランドの知名度アップが最大の目的で、売上はその次。ITFを通じて多くの消費者にKLOOKクルックがいかに便利に、効率的なスケジュールを手配するかを消費者に知ってもらう、そのことに注力しました。



ファーイースタン航空(遠東航空) 

澎湖、金門への旅行商品が好調で、販売実績30%増


今年のファーイースタン航空(遠東航空)は、グループ傘下の遠行旅行社と企画した多様なパッケージツアーを豊富に揃え、販売量は昨年比で20~30%増加しました。


最も売れたのはやはり国内旅行で、長期休暇向け商品「澎湖秋冬グルメ2泊3日フリープラン」「金門への召集令状3日間フリープラン」「澎湖国際海上花火大会3日間フリープラン」などがメインとなりました。


会場の南港展覧館は広さが十分で、事業者はディスプレイなどいろいろ工夫することができます。通路も広く、来場者がすし詰め状態にもなりませんでした。そのおかげでキャンペーンPRも来場者の目に留まりやすかったようです。


そうしたことを鑑みると、全体評価は90点。主催者がいろいろとよく考えてくれたので、最高の商品を消費者に提供でき、消費者と事業者の両方にとってメリットがあったと感じています。


来年も旅行市場は期待できるので、次回もITFへ参加し、予算も増やす計画です。



タイガーエア台湾 

東京、大阪、マカオ、フィリピン路線が目覚ましい売れ行きで大満足


タイガーエア台湾のITFでの売上は今年も目覚ましく、昨年比で約30%増加しました。会場で最もよく売れた路線は、日本ラインナップの東京と大阪。またマカオとフィリピンも好調でした。2020年に韓国ソウル便の就航を発表した直後だったため、こちらへの注目度も高いものでした。


2年目となった会場の南港展覧館は、空間が広くなり動線に余裕があったため、ブース設営に工夫を凝らすことができました。おかげで高い評価を得て「最佳展館獎(最優秀ブース賞)」をいただき、主催者にも感謝しています。


今年のITFに点数をつけるとしたら、確実に90点は超えるでしょう。



バンブーエアウェイズ 

目標達成率85~90%。ダナンへの来場者の興味が予想を上回る


今年も台北―ハノイ往復エコノミークラス最低料金99元(約350円)などの販促キャンペーンを行い、割引コードでも会場の購買意欲をかき立てたことで、目標達成率は85~90%。ハノイの人気がダナンを超えたことは予想外でした。


南港展覧館は広いですが、やはり世界貿易センターの方が地理的に明らかに優れていると思います。出展者や来場者にとっては、アクセスが便利ですから。


弊社にとって今年のITFは85点。足りない15点は、今後の主催者の努力への期待です。



エア・カナダ 

バンフとイエローナイフのオーロラツアーが問い合わせ最多


台湾支社設立後、今年がITFに初参加です。台湾とカナダの旅行事業者が共同出展し、ブースでは私ども以外の事業者が、さまざまなテーマの団体ツアーを販売しました。


弊社で航空券のみを購入したあと、カナダの現地旅行代理店2社へ観光について相談されるFITのお客様もいらっしゃいました。


イエローナイフのオーロラツアー、バンフやロッキー山脈の商品へのお問い合わせが最も多く、特に5~6月および9~10月が人気でした。


今年のITFは点数をつけるとすると80点。動線計画は改善が必要でしょう。


エア・カナダのブースは人があまり通らないような場所にありましたが、照明広告を背負ったサンドウィッチマンが会場の内外を回ったため、多くの方が直接ブースを目指して来てくださいました。これは非常に効果が高い宣伝方法でした。


機内備品の展示では、プレミアム・エコノミークラスやビジネスクラスへの問い合わせが多く、購買意欲をそそったようです。なかでも最少催行人数2名のITF特別優待価格のビジネスクラスに興味を示した方が目立ちました。


そしてフライトアテンダントが機内サービスについて来場者の質問に答えたことで、エア・カナダに対する理解を深めていただけたと思います。(鄭 詩璇マーケティングマネージャー談)



インターコンチネンタルホテルズグループ 

ファミリー共同購入で売上増も、会場には不満あり


インターコンチネンタルホテルズグループは、全台湾の系列ホテル5軒が集結し、合同でのITFへの参加は今年で2度目となります。


最も人気が高かったのは75%OFF、1枚1,688元(約6,000円)からの宿泊券。桃園、台中、嘉義、台南、高雄のいずれかのホテルで使えるものです。ホテル会員に人気だっただけでなく、意外にもファミリー共同購入グループまで現れ、1度で100枚以上の宿泊券が売れました。


今年はブースの位置もよく、売上は昨年より70%増の1,000万元(約3,600万円)を突破すると見込んでいます。


ですが問題点もあります。多くのホテルが指摘していることですが、オンラインITFでの売れ行きが伸び続けていて、会場での売上に迫る勢いです。


さらに、会場を訪れる消費者の多くが食事券目当てであり、ホテルが企画する旅行商品に対しては購入のモチベーションが低いのです。


南港展覧館は会場が広いものの、アクセスは世界貿易センターに及ばないこともマイナス面です。そしてメイン通路に面するブースを希望する場合、別途追加料金を払わねばなりません。人気が高く行列のできるホテルに対しては、入口近くではない場所に十分な空間を用意してほしいです。行列が会場を出入りする人の動線を邪魔するからです。


このようなこともあり、来年の南港への参加は検討中です。


文:TTN旅報、翻訳·編集:JTアライアンス・インバウンド大学@台湾編集部 【TTN旅報1117期, 2019/11/18 発行, P12-13】


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