- shikiko7
エバー航空スト受け、「円満な旅」のために旅行公会が政府に5つの要望
15日前までのストライキ予告など、台北市旅行公会長らが民法の修正を訴える

▲ 【左から】台中市旅行商業同業公会の張進丁理事長、高雄市旅行商業同業公会の呉盈良理事長、台北市旅行商業同業公会の呉志健理事長は、旅行業者の要求を政府へ提出
6月23日、台北市旅行商業同業公会、台中市旅行商業同業公会、高雄市旅行商業同業公会は、エバー航空の客室乗務員ストライキに応じて合同記者会見を開いた。
記憶に新しい、6月20日から行われたエバー航空客乗務員によるストライキ。旅行業者および旅行客に混乱を招き、台湾の観光産業に大きなダメージを与えた出来事だったといえるだろう。
ここ数年、台湾の旅行業界にはさまざまな問題が噴出している。
トランスアジア航空の解散
チャイナエアラインの客室乗務員によるストライキ
チャイナエアラインのパイロットによるストライキ
遠東航空による一部路線の急な欠航
エバー航空の客室乗務員によるストライキ
これらにより、旅行業界は打撃を受け続けている。その現状を憂慮した台北市旅行商業同業公会の呉志健理事長は、ストライキの渦中である6月23日に「旅行業界は今こそ団結し、問題に向き合う必要がある。不合理な法律を改正し、公平な経営環境を取り戻そう」と業界内に呼びかけ、民法の修正を政府に要求した。
台北市旅行商業同業公会の呉志健理事長
「民法第514-5条」にある「増加した費用は、旅行客に要求できない」という記述、これこそが旅行業に不合理な現象をもたらす主な要因です。我々は、この民法の修正を強く求めます。
この民法にのっとった『国外旅遊定型化契約第26条』では、「(これにより)増加した費用は、甲に請求できない。減少した費用は、甲へ返還するものとする」という記述があります。
これは「旅行費用が予定より多くかかっても、旅行客には払ってもらえない」「予定より費用が少なくなれば、差額を旅行客に返金する」ということです。つまりストライキなどで飛行機が欠航した場合、次のような負担が旅行会社に生じることになるのです。
・旅行客が旅行前に支払った、現地の食事代や宿泊費を旅行会社が負担
・帰国のためのフライト変更の手配と費用の負担
航空会社の都合による欠航から生まれた損失であるにもかかわらず、旅行会社が支払わなければならない。これはまさに不合理と言えます。
1999年にこの法律が成立する以前は、台湾では航空会社の解散、パイロットや客室乗務員のストライキはありませんでした。
それからすでに20年たち、時代は移り変わっています。法律もそれに適応していくことが必要ではないでしょうか。
台湾は島国です。国際化を進めるにあたっても、飛行機は不可欠の交通手段です。私たちは、従業員がストライキ権を行使することは尊重しています。ですが、それによって旅行客および旅行会社に不便と損失をもたらすべきではありません。
ストライキによる被害の後始末のためには、社会的費用がかかりすぎます。「合理的なストライキの予告期間(15日前)」の取り決めを含めた、民法の修正を望みます。
《台北市旅行公会 私たちの希望》
労働者のストライキ権は尊重されなければならない。ただし、予告のないストライキを繰り返し行うことは、消費者を人質にして、自らの利益を獲得しようとしていると言わざるを得ない。民衆の権益を無視した粗暴な行為については、本会は強烈に非難する。
政府の各部署は、足並みを揃えなければならない。社会の調和と経済の進歩を促進するために、本会は、歴史上最も調整能力が高い政府、行政院が直ちに労動部(労働部)および交通部と協力し、労資双方に理性的な話し合いを促して、このストライキをできるだけ早く終了させることを求める。
航空運輸業ではすでに連続して3回のストライキが発生しており、旅行業界および消費者の権益に莫大な損失を与えている。政府が合理的なストライキの予告時期を明確に定めて、民衆と旅行業界に早めに対応させることは、それほど困難なことだろうか。
今回のストライキは労資問題が原因であり、旅行客と旅行業界には全く責任がない。エバー航空および桃園市空服員職業工会(桃園市客室乗務員労働組合)は全ての賠償・補償の責任を負うべきである。ストライキによる消費者およびツアー旅行客によるキャンセルなどの費用は、すべて補償が適用されるべきである。
今回のストライキについて、再度消費者にツアー旅行の解約・返金の原則を告知するよう交通部観光局へ要望する。また、各方面に誤った情報を広めることのないよう、罪のない消費者および旅行業者にこれ以上旅行の支払いについてのトラブルが起こらないように重ねてお願いする。
文:唐偉展、翻訳·編集:JTアライアンス 写真提供=台北市旅行商業同業公会
【TTN旅報Vol.1097, 2019年7月1日発行 P27】