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  • shikiko7

【台湾新型コロナ状況③】旅行代金の返金問題で、品質保障協会が航空会社、ホテルそして政府に陳情


▲中華民国旅行業品質保障協会の許禓哲理事長


新型コロナウイルスは旅行業界に打撃を与え、消費者へも影響を及ぼしている。多くの旅行者が不安感から次々と旅行のキャンセルを申し出ているが、キャンセルに関する返金について明確でない場合があった。そこで中華民国旅行業品質保障協会(以下、品保協会)の許禓哲理事長は、航空会社やホテルへ次のように呼びかけた。


  1. 各航空会社は払い戻しなどに全力で協力し、ツアーの出発が不可能な場合には全額返金及び手数料を無料にし、迅速に対応する

  2. 必要な徴収費用について、航空会社は領収書を発行する。これにより旅行会社が顧客に説明できるようになり、争議を避けることができる

  3. 多くの旅行会社は財務規模が小さいので、各国内ホテル・旅館に「旅行客が新型コロナウイルス感染への不安からキャンセルを希望した場合、保証金の払い戻しや延期の対処」の協力を望む。これにより旅行会社が立て替える負担が減少する


許理事長は、品保協会は旅行会社と消費者との架け橋となり、新型コロナウイルスについての契約解除対応について2月17日に協会内の各委員会と話し合いの場を設けたと強調した。そして各委員会の意見をまとめ、航空会社、ホテルなど業界単位で相談し、旅行会社の損失を最低限までに抑えるよう申し入れたという。


例えば民航局(交通部民用航空局)に連絡したうえでチャイナエアライン、エバー航空を訪ね、チケットの払い戻しに協力を求め、観光ホテル、旅館へは、早めに旅行会社に前払い金を返金するよう呼びかけた。


政府による財務援助と規定の修正も急務


品保協会は台湾政府に対しても同様に申し入れを行った。品保協会はまず各委員会からコロナウイルスの影響による損害状況や、旅行会社が期待している具体的な解決方法などを集め、その後、中華民国旅行商業同業公会全国連合会(※)と連携し、政府に意見書を提出した。


中国大陸の旅行客を引き受ける旅行会社は社会的責任を果たし、政府の防疫対策に合わせて中国大陸からのツアー客の受け入れを拒否している。そのため経営は危機的な状況だ。


そこで観光局に対し「中国大陸のツアーを造成していた旅行会社には、保証金(1件につき100万元)の8割を一時返金する」という速やかな政府の援助対応を求めた。


また規定修正の要望も含まれている。旅行者のキャンセルが帰責事由にならない場合――例えばストライキ、ウイルスの流行が原因なら、旅行会社は妥当な手数料を要求することができる、といったものだ。


さらに、現状ではウイルスが発生していない時期に個人的な原因で契約解除をした旅行者からも、旅行会社は違約金と手数料をもらえないことになっているが、この場合についての検討も観光局に申し入れたという。


※中華民國旅行商業同業公會全國聯合會(TAAT)。台湾全土を対象とした旅行業界の同業者組合


旅行会社は旅行契約規定に基づき、契約解除を処理するよう指示


毎日のように旅行地域の感染状況は変化し、情報の更新が速い。そうした状況下で各旅行会社が混乱をきたさないよう、契約解除の規定を統一する必要もある。品保協会は委員会会議で以下のように決議した。



  1. 渡航状況に関して、新型コロナウイルス発生前までは、外交部(外務省にあたる)が公告している警告に基づき契約解除を処理していた。だが現在は衛生福利部の中央感染症指揮センターも旅行地域の疫病危険レベルを発表しているため、どちらに従うべきか旅行会社は困っている。そこで品保協会は公告する危険レベルと発表時間が統一するよう関係機関に提案する。また、現在は非常事態のため、中央感染症指揮センターの発表を基本とし、返金の基準を判断する

  2. 品保協会の公式ページで各種処理方法を解説する。一部の旅行会社が国外旅行定型化契約の第13条、第14条、第15条の内容について詳しくないという状況に対し、品保協会はわかりやすい文章を用いサポートしていく。旅行会社が契約内容を理解しないまま旅行者と契約を結ぶケースがあるので、社内で規定をつくることを勧める。たとえばLCCは払い戻し、変更不可だと最初に明記しておけば、旅行会社も保障を受けることができる。

  3. 旅行会社及び消費者の葬儀を避けるため、品保協会は旅行業界内の雑誌、新聞、インターネットなどで契約解除の処理原則を発表する予定。メディアを通じて旅行市場の自信を牽引し、旅行者の出国意欲を刺激する

  4. 旅行会社が消費者とツアーの契約を結ぶ際に、「必ずツアーは出発する」との明言は避ける。もし飛行機の便の変更が派生したら、参加者の同意を求めて新しい契約を結ぶこと


そして旅行会社に向けて許理事長は次のように鼓舞している。


「新型コロナウイルスの影響によって、契約解除や返金などの問題は旅行観光業界に大きな打撃を与え、旅行会社と消費者の損失になりました。この厳しい時期に経営に関する大きなプレッシャーがあると思いますが、それでも全力で旅行者に返金や旅行先の変更、延期などの対応をしていることに感謝しています。これからは一緒に観光産業を応援して、事態が収束したら旅行へのパワーを倍にして、この状況を弾き返しましょう」


 

文:唐 偉展、翻訳·編集:JTアライアンス・インバウンド大学@台湾編集部

【TTN旅報1130/1131期, 2020/2/24 発行, P22】


#品保協会

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