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【台湾新型コロナ状況④】約1800億円の資金を用意し、台湾政府が観光産業への支援を表明

新型コロナウイルスの感染拡大による観光産業へのダメージに対し、交通部(観光局を含む。日本の旧運輸省や旧郵政省、旧運輸通信省に相当)は「COVID-19(新型コロナウイルス)の影響に対する救済策、景気回復及び振興プラン」として次の3つを主軸に据え、補助金を支給することを発表した。


COVID-19(新型コロナウイルス)の影響に対する救済策、景気回復及び振興プラン

総計500億元(約1778.6億円)の資金を投入し、観光、運輸業が困難を乗り切れるよう全力でサポートする。対象内容は細かく分けられ、非常に台湾らしい措置といえるだろう。


中国大陸からの訪台ツアーでは1148人がキャンセル


このプランのなかで、旅行会社に最も関連があるのが(一)の142.3億元の救済策だ。


救済策の大きな対象となるのが中国大陸からのツアー。キャンセルなどで24社の旅行会社で計68件のツアー、1148人が影響をこうむった。そこで「中国大陸からの団体ツアーにおける補助」として2億元(約7.1億円)を投入する。19人以下のツアーには最高5万元(約17万8000円)、20人以上のツアーには最高8万元(約28万6000円)の補助金を支給。そして旅行客のチケット料金に関しては、ひとりあたり2万元(約7万1000円)の補助金を予定している。この政策はすでに旅行会社に通達し、申請が可能となっている。


台湾人がイタリア、ベトナム、フィリピンなどへのツアーに参加予定だったものの、現地の政策によって出発できない場合は、ひとつのツアーに最高5万元(約17万8000円)、旅行会社1社ごとに最高250万元(約890万円)の補助金を支給する。今後ほかの国でも似たようなケースが派生した場合も、旅行会社は同じく補助を受けることができる。この件に関しては、計7億元(約24億9000万円)を予定している。


さらに、旅行会社が防疫のために台湾で実施予定の観光ツアーをキャンセルした場合、一般ツアー、修学旅行ツアー、クルーズの上陸を含むひとり500元(約1800円)を補助金の基準とする。総合旅行会社(日本の第1種旅行業に相当)の申し込み上限は1社300万元(約1067万円)で、甲種旅行会社(日本の第2種旅行業に相当)の上限は1社250万元(約889万円)。こちらには計3億元(約10.7億円)を投入する。


観光産業の運営面に関しては、12億元(約42.7億円)を融資と利息の補助に使用する。観光産業は設備投資に対し最高3億元(約10.7億円)の資金を、運転資金では最高6千万元(約2.1億円)、ホテル業は設備投資に最高3千万元(約1億円)、運転資金は最高1000万元(約3600万円)の借入が可能だ。


そして旅行業(ガイド含む)、宿泊業、観光娯楽業の発展に必要な人材育成のために、5億元(約18億円)を投じる。


観光ホテル及び一般ホテル(※1)の運営負担の軽減のためには、15億元(約53.3億円)をかける。


※1 台湾では観光旅館(観光ホテル)と一般旅館(一般ホテル)に区別される。また、観光ホテルにも国際観光ホテルと一般観光ホテルの区別がある


運輸業へのダメージも補助金での緩和を狙う


(一)の①に該当する運輸業に対しての補助金で目立っているのが、航空業(航空運送事業及びゼネラル・アビエーション※2)と空港業者(空港内の商業施設の経営者、グランドスタッフ、機内食のケータリング業者)の着陸料、土地建物賃貸料、格納庫の使用料金、権利金の補助42.85億元(約152.4億円)だ。


ほかには、海運業者の小三通(※3)及び中国・台湾の運航停止期間の維持費と、国際クルーズの台湾代理店及びチケット販売所の賃貸料の補助に3.01億元(約10.7億円)。


そして陸上運送業、海上運送業及び航空業者が防疫用品を購入する際の経費の補助には11.38億元(約40.5億円)を投入する。


※2 定期航空運送事業(エアライン)以外のあらゆる航空活動。例:自家用機、グライダーなどのスカイスポーツ、航空機を使用した撮影、遊覧機など


※3中国の厦門と台湾の金門の間で、直接の往来が認められている限定的な航路(三通:通商、通航、通郵)


国内旅行の補助、観光スポットの品質向上で海外からの旅行者を引き寄せる


救済政策の後、最も重要になるのは(二)に該当する観光産業の「観光産業景気回復及び振興プラン」だ。


国内旅行に関しては20億元(約71.1億円)の補助金を支給するほか、地方政府の観光イベントの提案、ホテル・温泉ブランドの品質向上とマーケティングの強化、旅行業の発展プラン及び各自治体による観光産業協会・同業組合結成の促進に対しても計9億元(約32億円)を予定している。


海外からの旅行客を増やすことも急務だ。そこで国際的なセールスや、DMOの発足を奨励し、台湾を訪れた外国人旅行者をケアする台湾の旅行会社をバックアップ。またイメージダウンしたクルーズの回復も必要となる。これらには計16.5億元(約58.6億円)を投入。


国内の観光スポットには9億元を投入し、バリアフリー施設やムスリム対応施設の設置や、ホテル業の品質向上と、観光娯楽業の品質向上計画、観光デジタル変革計画などを補助。リピーターの確保を狙う。


新型コロナウイルスが収束した後、それまでの反動で旅行者数が一気に増加することが予想される。その時に旅行先の候補地となれるか、そして、一過性でなく「また来たい」と思える場所であるか。この困難のなか、現状の回復だけでなく先を見通すことの重要性が、政府からの補助金には含まれている。


文:唐 偉展、翻訳·編集:JTアライアンス・インバウンド大学@台湾編集部

【TTN旅報1130/1131期, 2020/2/24 発行, P18】

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