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【私の新型コロナ対策生活②】「今できること、すべきこと」を台湾旅行業界誌の編集長が提案
台湾の旅行業界誌『TTN旅報』の呉 學銘編集長は、新型コロナウイルスにおける旅行業界の現状を発生時からつぶさに見つめ、関わりあってきた。そんな呉編集長が台湾の旅行会社に向けたメッセージでは、嘆くだけでなく、今できることを具体的に示している。これは、日本で旅行業に関わる人々にとってもヒントとなるものだろう。

<何をすべきか?今こそ発想が必要だ>
TTN旅報編集部 呉 學銘編集長
新型コロナウイルスの影響が表面化して1ヵ月以上が経ち、台湾の旅行業界が痛感していることがある。それは、この問題は2003年のSARSの状況を超えているということだ。17年前のSARSを経験した旅行会社も多く、教訓を活かしてこのウイルスに立ち向かおうとしている。しかし、いつ収束するかも知れぬ日々に、心中では言い尽くせない想いを抱いている。
経営資金は、小規模の旅行会社で約1~2ヵ月、中規模で約2~3ヵ月、大規模では約3~4ヵ月は融通がつくとみられる。しかしこの状況は果たして4ヵ月後に収束するだろうか?旅行会社たちは長期戦に備えることはできるだろうか?このことが、何よりも懸念される問題であり、中華民国旅行業品質保障協会が記者会見で「半年の間に500社の旅行会社が倒産する可能性がある」と述べたのも無理はない。
仮に状況が落ち着けば、旅行市場はまずは国内旅行から始まり、次に国外旅行へと順次回復するだろうが、それには約2~3ヵ月が必要だと思われる。そして海外からの旅行客を受け入れるまでにはおそらく半年を要するだろう。旅行会社の主力業務はそれぞれ違うので、自己資金を適切に分配していかねばならない。
今この時期に、旅行会社として、そして個人として何をすべきか?いくつかの私見を述べるので、参考にしていただきたい。
できることを見つけ、無為にすごしてはならない。例えば国内外の運航路線について検討する。政府の観光・運輸業に対する救済策を研究するのもいいだろう。この法案に対して不平を言うのではなく、チャンスを摑んだととらえるべきだ。政府が公告した法案には旅行会社の協力が不可欠だ。政府との付き合い方を学ぶのも悪いことではない。
もし資金に余力があるなら、この時間を使って公式ホームページの改善を行うこと。それは大きな効力を発揮し、さらなる競争力を身につけることになるだろう。
公式ホームページには変わらず新しい旅行商品の情報を掲載し続け、決して荒廃させてはならない。外出を控えている人々は、ふだんよりもインターネットを利用する時間が多いので、公式ホームページを訪れる人も増える。もし詳細が決まっておらず、大まかな催行時期しか掲載できなくてもかまわない。旅行会社が運営を継続していることが伝われば、状況が好転した時に消費者はあなたの会社の旅行商品の購入を検討するだろう。
顧客への連絡を積極的に行い、自社の存在をアピールすること。そうすれば今後も存在を意識してもらえる。自分の休暇を優先して、顧客のことを忘れないように。また毎日数社の同業者へ電話をして、互いに励ましあおう。
業界内の人材の動向に目を配ろう。こうした時期には多くの人々が離職・再就職を検討する。収束後の新たな局面においては、人材確保が何より重要だ。社外から招くだけでなく、社内の優秀な人物を引きとめておくことも必要だ。
医療関係者の活動に関心を持とう。第一線で新型コロナウイルスに立ち向かっている方々は、困難のなかで休みもなく働いている。こうした方々への特別優待の国内ツアーやフリープランを造成するのもよいだろう。
翻訳·編集:JTアライアンス・インバウンド大学@台湾編集部
【TTN旅報1132/1133期, 2020/3/9 発行, P2】