- shikiko7
【大榮國際旅行社】「誰と行くか」を大切に、著名人が体験する施設のPR動画を自社制作

郭 文瑞(グオ ウェンルイ)
アレックス さん
董事長
父は大榮旅遊グループ会長。1996年にアシスタントとして入社、訪日旅行を中心に営業、予約、航空会社のコース設定など、経理以外のあらゆることに携わり、父とともに会社を支える。2008年の大榮國際旅行社設立以降は、全事業を引き継ぎ董事長として独自の経営手腕を振るっている。
――御社のオフィスは若い方が多く、とても活気がありますね。
30代半ばから40代前半が中心です。私も43歳です。それに50代の社員もとても気持ちが若いんですよ(笑)。弊社は若い社員が能力の発揮できる会社です。私がアクティブなので、部下たちにもそうなるようにトレーニングしてるんです。
――「アクティブ」とは具体的にどういうことですか?
今の旅行スタイルは、昔ほど型にはまったものではありません。もっと自由に、もっと楽しく――そう押しだすことで、お客様を惹きつけることができるんです。台湾の消費者は価格重視で、低価格のものに流れる傾向があることは否めません。ですが自分自身が楽しみながら施設などのサービスを見せてゆけば、必ず食いついてくださる。そうすればビジネスも自然と良い方向へ向いてゆきます。
――どのようにアクティブに、旅の魅力をお客様に伝えているのでしょう?
芸能人やインフルエンサーに実際に体験していただき、その様子や感想をFacebook、Instagram、YouTubeにアップしています。旅行の内容によってターゲットは違いますので、SNSは使い分けていますね。
たとえば、ファミリー層にピッタリだと感じた北海道のルスツリゾートについては、タレントの郭 彥均(グオ イェンジュン)さんと奥様、3歳(当時)のお嬢さんが楽しんでいらっしゃる動画を作りました。
▲自社制作の動画「北海道特集 郭彥均親子の旅」
レンタカーについては、ママさんインフルエンサーを起用して、ブログに記事を書いていただきました。この記事が香港のYahooで紹介されて、香港からのご予約も増えました。
8人が泊まれるキッチン付きの沖縄のヴィラは、インフルエンサーやタレントに宿泊してもらい、それぞれのSNSで感想をシェアするという方法を選びました。2~3カ月という短期間で効果が目に見えて現れ、施設にも満足していただけました。
大榮の公式サイトにも「旅の達人」たちによるコラムコーナーを設け、ターゲットに沿った著名人による体験記事を掲載しています。

▲「旅の達人」のコラムコーナー。家族、恋人、友人など、その旅を「誰と」楽しめるのかがよくわかる
こうした異なる宣伝方法で、さまざまな層の消費者に訴求しています。内容が心に響けば、お客様は必ず来てくださいます。私たちはそうしたお客様を施設へ送り出す橋渡しの役目を担っているんです。
――動画も作っているんですね。
すべて自社で撮影しています。動画まで作って宣伝する旅行会社は、例がないかもしれませんね。でも、動画は臨場感がありますし、宣伝効果がとても高いのでぜひやろうと私が発案しました。ライブ配信もしているんですよ。
――こうした宣伝活動を行うために、日本サイドに求めることはありますか?
私は日本の各地へ赴き、友人を作ることが好きです。そして友人たちから、現地の人しか知らない美味しいレストランや名所、宿泊施設について聞きだします。それは日本のどの地域でも、どんな施設でも大歓迎です。そうして得た情報について、「これは、どんなターゲット向きか?」と考えてゆく先には、必ずぴったりの台湾人消費者の姿が見えてきます。
それぞれの地域、施設には、それぞれに合った台湾人消費者がいます。どうか、「うちは若者向け」「ファミリー向け」「団体向け」など、自らの魅力を自分で決めつけないでください。情報さえいただければ、私たちが最適なターゲットを見つけだします。たとえば25名しか入らないレストランだから団体ツアーには向いていない、と台湾人誘致をあきらめる必要はありません。ミニツアーに適しているということもあるんです。
良い提携相手とは、私たち、ひいては台湾の消費者の声に耳を傾けてくれる方々です。コミュニケーションがちゃんととれることが大切です。そうすれば、もし困ったことが出てきても、素直に話してさえくだされば、私たちは一緒に解決に向かいます。どういう方法でPRするのが一番よいのか、手を取り合って考えていきたいですね。
――「コミュニケーション」も御社のもうひとつの指針なんですね。
ええ。お客様の要望を聞き入れ、日本側の施設とも多くコミュニケーションをとる。そうすることで、お客様を満足させることができるのです。
かつて、150名の沖縄ツアーを手掛けたことがありますが、これは前代未聞の内容でした。通常の台湾からのツアーでは35名に対してガイドは1名ですが、そのツアーでは30名のガイドで対応しました。つまりお客様5名に対してガイドが1名つくということです。予算も高く、おひとりあたり11~12万元(約38万9,000~42万4,000円)、全体で2000万元(約7,000万円)です。沖縄でこれだけの金額のツアーは、他社も含めて聞いたことはありません。
そうすると、食事の際に「葉巻を吸いたい」という方も出てくるわけです。そのときにレストランやホテル側は、ただ「ダメです」というのではなく、ちゃんと私たちやお客様とコミュニケーションをとって、近くで葉巻を吸えるところを探すといった対応をしていただきたい。お客様のニーズに耳を傾け、満足していただけるように動いていただきたいですね。
――総額2000万元のツアーは特別だと思いますが、御社の一般的な主要地域の販売価格帯を教えてください。

オーダーメイド旅行はお客様のご要望次第です。北海道で6~7万元(約21万2,000~25万円)、沖縄で11万元(約38万9,000円)というものもありました。
旅行企画担当は北海道1名、東北と関東に1名、北陸と四国を含む関西1名、山陰山容を含む九州に1名、沖縄1名です。すべて台北で企画を行っています。
――何名のツアーが多いのでしょう?
自社で設定する場合は16、25、35名が目安です。団体はバス1台につき25~35名で、緑ナンバーと契約をしています。ですが、ツアー最少催行数は2名です。少人数参加になった場合は車種をハイエンドにするなどフレキシブルに対応します。こうした柔軟性が、私たちの特色でもあります。旅の目的がはっきりしているお客様には希望に沿った内容を提供する。ご要望があまりないお客様にはツアーをおすすめしています。
旅行とは楽しいものです。友人から「どこの場所が楽しい?」と、よく聞かれます。そんなとき私は「自分と合う人と行けば、どこでも楽しい」と答えるんです。
この旅行会社へのコンタクトについては NEXT T.C. まで

大榮國際旅行社
1985年に沖縄でD.T.Sグループの名で郭 榮華(グオ ロンファ)氏により創業。ランドオペレーターとして台湾の他旅行社の手配を請け負っていた。’94年に大榮旅遊と改め、台北、台中、高雄及び沖縄(D.T.Sグループ)を拠点とし、ランドオペレーターだけでなく、自社でも旅行商品を扱いサービスを提供するように。2008年にグループ化し、大榮旅遊集團は大榮國際旅行社と沖縄大栄旅遊を擁する。さらに沖縄にはバス会社、レンタカー会社も持つ。