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【喜美旅行社】ミニバン貸切の小回りのきくツアーで、今後の狙いは「体験型」「秘境」

范 天麟(ハン ティエンリン) タカシ さん
日本線担当部長
日本ツアーの添乗員を5~6年つとめたのち、日本線販売へ。添乗員時代も含め12年間、日本への旅行業務に携わっている。その経験を活かし、『來去東京SHOPPING』など3冊の著書もある。
――日本旅行商品における御社の特徴はどんな点でしょうか?
弊社のツアーブランド「グロリアツアー」は30年以上、日本へのアウトバンドツアーをホールセール中心に手掛けてきました。募集型ツアーに代表される大型バスでの大人数での移動ではなく、6~8名乗りのバンを貸切っていただき、ご家族や同僚など気兼ねない関係の方だけで旅行を楽しんでいただいています。モデルコースはありますが、比較的、自由度が高いと思います。
たとえば、団体で訪れるレストランはだいたい決まってきてしまうので、あえてフリーにして、お客様ご自身でお店を選んでいただくこともあります。
――自由度が高いことは大切でしょうか?
日本へ何度もいらっしゃったお客様はとても多いですからね。私も添乗員時代に、「ここへ来たのは×回目だよ」とお客様がおっしゃる場所がいくつもありました。そういう方にとっては、「バスに乗って、降りて、一瞬見て、トイレへ行って、バスに乗る」といった通り一遍の内容ではご満足いただけません。
自由があるだけでいいならFITでもいいわけですが、ツアーだからこそできることとして、今後は体験コースを盛り込んだものを作っていきたいです。言葉の通じない外国で、ご自分で申し込みをするのは大変ですから。5~6時間ほどかけて、じっくりひとつの場所を楽しんでいただき、1日2~3か所に留めるのが理想的ですね。それくらいの深いツアーが、今は求められていると感じています。
――たとえば、どんな体験コースを考えていらっしゃいますか?
これはまだ構想段階ですが、大分県日田市で「浴衣を着て散策&ランチ」や、「梅酒漬け体験」などはどうかと考えています。先日、自治体の方がお越しくださり、お話のなかからひらめいたんです。来月には実際に、日田市をうかがう予定です。
愛媛県青島は、猫がたくさんいる“猫島”です。台湾人は動物が大好きなので、ぜひこちらを訪れるツアーを作りたいのですが、交通事情の関係で実現には苦戦しています。
――日田市のように、実際に自治体との方とお話をして、具体的になっていくことがあると思います。どんな情報があると、お仕事に活かせますか?
先ほどもお話ししたように、日本旅行のリピート率はとても高いです。ですので、まだ台湾人には知られていない、「秘境」の情報はとても欲しています。そうした情報とともに、その場所のさまざまな角度からの写真もいただきたいです。ツアーの宣伝をするにあたり、写真は必須です。ウェブで見つけた解像度の低い写真を引き伸ばして使用しても、その魅力は正しく伝わりませんから。
それから、飲食店情報ページに、大人数の受け入れが可能かどうかの表記を入れていただけると、とてもありがたいですね。宿泊施設には、ぜひ公式LINEを作っていただきたいです。台湾ではLINEは仕事上の大切なツールです。メールよりも早くレスポンスできるからです。
――日本の主要地域の販売価格帯を教えてください。

弊社は比較的安価なほうだと思います。LCCとグレードの高いホテルを組み合わせたツアーを4万5000元(約15万6,000円)で売り出したこともあったのですが、結果は芳しくなかったですね。
――日本旅行ツアー商品は、どんなメディアを使って台湾国内に宣伝されていますか?
お客様に対しては、やはりWEBですね。検索サーチで上位にヒットするようにSEO対策をしています。またラッピングバスを走らせることもあります。北海道、関東、関西、九州は根強い人気のある地域です。そのなかで、よりお客様の心をつかむディープな旅は、バン貸切ツアーの弊社だからこそできることだと思っています。そうした部分を、台湾の皆様にアピールしています。
この旅行会社へのコンタクトについては NEXT T.C. まで

喜美旅行社
東北アジア線から始まり30余年、今では全世界を対象に、ホールセラーから個人旅行までを扱う。ツアーブランドは「華泰旅遊(グロリアツアー)」。時代の変化や航空路線の調整に合わせ、今では日本旅行が重要なセールス区域になっている。