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【第2回】夏には夏の食材を楽しむ / 講師 片倉佳史


▲ スイカには体温を下げる効果がある


厳しい暑さが続く台湾ですが、中秋節(旧暦8月15日、2019年は9月13日)を迎えると、朝夕は徐々に涼しくなってきます。風もあるので、日陰に入ればそれほどの苦しさは味わいません。少なくとも、連日30度を超える7月、8月よりは、ずいぶんと過ごしやすい印象です。


暑さと言えば、日本人旅行者の多くは、「台湾はさぞかし暑いだろう」とそれなりの覚悟でやってきます。しかし、台湾に到着すると、意外にも、日本の方が暑いということが少なくありません。特にここ数年は異常気象が続き、肌感覚のみならず、実際に日本の方が気温が高いということは珍しくありません。


こういった状況は日本人だけでなく、日本を訪れる台湾人旅行者も驚いています。「日本の夏がこんなに暑いとは思わなかった」という声は頻繁に耳にします。


さて、台湾人の暑さ対策をのぞき見すると、夏場に食べるべきものと食べないほうがいいものを分けていることに気付きます。台湾には「医食同源」という言葉があり、日常の食生活から健康を保ち、鋭気を養っていくという考え方があります。食材もまた、漢方の世界ではいろいろな分け方があるのです。


食生活が体に影響を与えるということは古くから知られており、人々はその教えに忠実に従います。例えば、小豆(あずき)は体の温度を上げるため、夏にはあまり食べません。むしろ、お汁粉がそうであるように、小豆は寒い時にこそ食べるものとされています。つまり、暑いときに小豆を食べるとますます暑くなるので避けたほうが良いというのです。一方、スイカやキュウリ、メロン、冬瓜(トウガン)などは体温を下げる効果があるので、熱中症対策にもなります。ちなみに、台湾では真冬でもスイカを収穫できますが、出荷量は大きく減ります。


台湾の人々は「旬」をとても大切にします。それは言い換えれば、自然の摂理に基づいた食材の個性です。そう考えると、「旬」の概念そのものが異なった印象になってきます。夏は夏の食材、冬は冬の食材と、季節の食材を好んで味わうというのは、グルメ志向であると同時に、健康志向の証でもあるのです。


片倉佳史 Katakura Yoshifumi


武蔵野大学客員教授 台湾在住作家


1969年、神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、出版社勤務を経て、’97年に台湾へ渡る。台湾の地理、歴史、建築、文化、鉄道、現地事情などについての執筆・撮影のほか、年に40回ほど講演活動も行なう。『台北・歴史建築探訪~日本が遺した建築遺産を歩く』『古写真が語る台湾 日本統治時代の50年』『旅の指さし会話帳・台湾』ほか著書多数。最新刊の『台湾 旅人地図帳 ―台湾在住作家が手がけた究極の散策ガイド』(片倉佳史・片倉真理著)では、台北・高雄などの主要都市以外にも、まだ日本人には知られていない地方都市や離島など約80ものエリアやスポットを、写真とともにオールカラーで紹介する。

公式ウェブサイト「台湾特捜百貨店」:http://katakura.net/

ツイッターアカウント:https://twitter.com/katakura_nwo

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