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  • shikiko7

【第1回】台湾人が読みたくなるウェブサイト制作に必要なこと / 講師 佐藤 峻

こんにちは!

台湾で applemint というデジタル・マーケティングの会社の代表を務める佐藤と申します!


突然ですが、「デジタル」と聞いて、拒否反応を起こした方! 気持ちは分かります。 私のクライアントも初めてお会いした時は、「デジタル」という単語が出ただけで話を聞きたくない顔になりました。


しかし、時代はデジタル。 人々のショッピングは店舗からオンラインへ、集客はマスメディアからデジタルへ移っています。


ではそんなデジタルの時代に、台湾の人を惹きつけるにはどうすればいいのか?


今後5回に渡って、私が台湾で、台湾の人を相手に実践しているデジタル戦略を余すことなくお伝えしたいと思います! 第1回の今回は、台湾人に好かれるウェブサイトやデザインについてお話をしたいと思います!


モバイルを制するものは台湾を制す


みなさん、普段からどれくらいスマートフォンをお使いでしょうか? 使い方がいまいちわからないから、必要最低限しか使っていないという人も多いのではないでしょうか?


台湾の人は皆さんが思う以上にスマートフォンのヘビーユーザーです。


下のグラフは台湾でプロモーションを行っている某顧客のデバイス別流入比率です。 ご覧のように、スマートフォンからウェブサイトに流入しているユーザーが全体の8割にあたります。

つまりこれからの時代台湾人の集客を考えた時、自社サイトがスマートフォンでどう見えるかを最優先に考える必要があります


ひとまず、ウェブサイトはスマホ重視と覚えておいてください。


台湾の人はあなたが期待しているほどサイトを見てくれない


次に、日本の方々に少々ショッキングな事実をお伝えします。 下をご覧ください。これは台湾でプロモーションを行っている弊社某顧客のサイトがどれだけ台湾の人に見られたかを可視化したものです。

赤い部分がユーザーに閲覧されている部分を表し、青い部分がユーザーに閲覧されていない部分を表します。


ご覧の通り、ウェブサイトの大体 2/3 は見られていないことが分かります。


また、スマートフォンでウェブサイトを見る台湾人の指の動きは思ったよりも早く、ほとんどの情報が見られずに、どんどん下にスクロールされます。

以前私はコンビニで、5人ぐらい見知らぬ方に協力を頂いて自分達が制作したサイトを見てもらったのですが、せっかく時間をかけて作ったウェブサイトをサーと下にスクロールされた時はショックでした。


まとめると、台湾の人は、


1) スマートフォンでウェブサイトを見る比率が圧倒的に多い。 2) ウェブサイトはあまりちゃんと見てくれない。 3) ウェブサイトを見るスピードは思ったよりも早い


という特徴が浮き彫りになります。

では次にこれらの事実を踏まえ、台湾の人にどうやったらスマートフォンできちんとウェブサイトを見てもらえるかというお話をしたいと思います。


アイコンを多用する


スマートフォンでどんどん下にスクロールする台湾の人に有効なのはアイコンです。


50文字の読まれない文を書くのではなく、スクロール中に即座に視覚で認知させるアイコンが有効です。 以下、簡単に文字だけが表示されたサイトと文字とアイコンが表示されたサイトのサンプルを作ってみました。

大分印象が変わるのではないでしょうか?


右側はアイコンがあるおかげでこのセクションが執筆に関する内容であることが読まずとも認識できます。


太字を多用する


次に、スマートフォンで読まれるウェブサイトは太字を使って、テキストに強弱をつけています。 これは台湾に限らず世界的なトレンドです。


スマートフォンだとスクロールするスピードが早く、文字を均一に表示しても読まれないことが多いため、伝える情報に優劣をつけて一部の情報だけでも読んでもらうためにやります。

ご覧の通り、apple 社もスマートフォンを意識して、強調したい文を太字で表示しています。


ちなみに、デザインのトレンドを知りたい時は、apple 社のサイトを見るといいです。


本当のレスポンシブ対応をする


パソコンのウェブサイトのデザインをそのまま縮小してスマートフォンで表示させていませんか? 例えばパソコンで左に写真を表示し、右に文字を配置したデザインをモバイルでそのまま縮小しているケースがよく見られます。

これではスマートフォンで文字と写真が小さすぎて見えません。 これはレスポンシブ対応をきちんと行なっていない例です。


きちんとしたレスポンシブ対応とは、モバイルで見やすいことが条件です。 そのため、レスポンシブ対応を行ったウェブサイトは、通常左右に配置された写真と文字が上下に配置されます

コーディングで解決する問題なのですが、制作会社にとってはひと手間かかるので、言わなければやらない会社も多く存在します。


妥協せずに対応してもらいましょう!


台湾の人が好きなデザイン


最後に台湾の人が好きなウェブサイトのデザインについてお話をします。 台湾人と言っても色んな年齢の人がいますので、これだ!という答えはありません。

しかし日本の会社なら「日本」の感じを出すのがいいと思っています。 なぜ日本風がいいのか?


私が台湾に長く住んで色々な台湾の人に聞いて感じるのが、台湾の人の日本のデザインに対するリスペクトです。 例えば、日本の商品のパッケージデザインと台湾の商品のパッケージデザインの間には未だに歴然とした差があると思っています。


もちろん、私は台湾人の優秀なデザイナーや、デザインが優れた台湾の商品を知っていますが、平均するとまだ日本のデザインが上という印象を受けます。

また、台湾人の日本の製品に対する質の信頼は未だに高いと思っています。

つまりウェブサイトも商品も、一目見て「日本風だ」、「おしゃれだ」と思わせれば、それだけで高品質なサービスと思われる可能性があります。

ではどうすればいいか?


2つやり方があるのでご紹介します。


フォントにこだわる


ウェブサイトはフォントを少し変えるだけで、すぐにおしゃれで日本っぽいサイトになります。

フォントはおしゃれな明朝体を使うのがポイントです。

すぐに日本っぽく見えるフォントは Fontworks 社の「筑紫書体」の明朝体と、Adobe フォントの kan 412-415です。

▲Fontworks 社『筑紫書体』より

Adobe font Kan412Typos より

筑紫書体は平仮名や漢字のトメ・ハネ・ハライが非常に綺麗です。


Kan Typosはゴシック体をベースとしているため、文字の太さが大部分均一ながらもトメ・ハネ・ハライが明朝体のようになっているため見やすくて綺麗です。


多くの日本語フォントは繁体字に対応しているので、そのまま使うことをお勧めします。


しかし中には、日本語フォントで表現できない繁体字があります。


以下、日本語フォントで表現できない繁体字の例です。

これらの漢字については、Adobe イラストレーターで編集をするか、その文字を使わない、或いはおしゃれな繁体字のフォントを使用するといいと思います。


ただし上の写真の通り、日本語に変換できない一部の繁体字とその日本語の違いは本当に些細なものなので、気にせずにそのまま日本語を使うのも問題ないと思います。


ただしどうしても繁体字をきちんと表示させておしゃれに見せたい場合は、Justfont 社が出している「金萱」や2020年6月発売予定の「凝書體」あたりがオススメです。

Justfont 社『金萱』 より

Justfont 社『凝書體』 より

使う色を限定する


日本風のサイトに限らず、デザインが良いウェブサイトは使用されている色の数が限定されています。


デザインが良いとされるウェブサイトは一般的に3色を1:2:7の割合で使うと言われています。 例えば以下台湾の制作会社 Block Studio のウェブサイトをご覧ください。

Block Studioのホームページより

まずウェブサイト内の文字に強弱があり、強調されている部分が一目でわかります。 これはスマートフォン表示に最適なのは冒頭でお話ししました。


また、自社サイトの色を限定しているため、ブランドカラーがすぐに認識でき、Block studio と言えば「青」というイメージができます。


フォントも非常にオシャレで、細字を使っているため洗練された印象を持ちます。


まとめ


台湾人にいいと思われるサイトとは、まずスマートフォン表示に最適なことです。


スマートフォンで最適な表示をされるサイトは共通して、文字ばかりでなく、アイコンをよく使用していること、所々で文字が強調されていること、そして写真と文字がきちんとレスポンシブ対応されていることです。


その上で、さらに日本風のフォントがかっこよくて、色を限定したおしゃれなデザイン要素を散りばめられればバッチリだと思います!


次回はそのサイトを如何にして台湾人の目に触れさせるか、SEO についてお話をしたいと思います!


 

佐藤 峻 Leo Sato

Applemint CEO

国際基督教大学 (ICU) 卒業。その後台湾へわたり、国立政治大学で学ぶ。在学中に国立シンガポール大学 MBA へ交換留学。MBA 取得後は某外資系広告代理店にて Microsoft のデジタル・マーケティング担当。某B to B プロジェクトはクライアントの KPI を大きく超えるリードを獲得。その後台湾にて通販サイトの デジタル・マーケティング担当。2017 年台湾で applemint 社設立。GAIQ (Google Analytics 個人認定資格) 保持。

applemint:https://www.applemint.tech/


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