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【第4回】あなたはどこまでデータを活用できていますか? / 講師 篠原好孝

インバウンドデータの活用法を紹介するこの連載も4回目を迎えます。第1回では「データの集め方」第2回は「集めたデータを使える状態にする方法」第3回は「実際に活用するテクニック」についてお話してきました。今回は、あなたの会社や自治体がどこまでインバウンドデータを活用できているかをチェック。合わせて第1~3回の重点ポイントをおさらいしていきます。


Q.データの活用は、必ず始めなければいけないのでしょうか?


まずは、あなたの職場におけるインバウンドデータの活用度を知る簡単なテストです。以下の質問の①~⑦に答えてみてください。


インバウンドデジタルマーケティング ヒアリングリスト(簡易版)


観光関連の事業に携わる方で、「デジマケチームがあるか」の質問に「ない」と答えた人は、世界の流れから相当遅れていると言わざるを得ません。ひと昔前のように観光業が内需だけで成り立ち、成長できるのであれば、データの活用はなくてもいいのかもしれません。でも、いまはインバウンド集客で利益を上げていく時代。日本以上にスマホの保有率が高い海外から客を呼ぶわけですから、デジマケを活用しない手はありません。


はデジマケのチームがきちんと動けているかどうかのチェックです。形だけできていても仕方がありません。ほかの部署と連携がとれて、はじめて存在する意味があるのです。日本のほとんどの自治体には、デジマケのチームがあります。でも、実際の業務はなかなか進んでいません。大きい自治体は人数が多く、「いままでのシステムを変えたくない」という抵抗勢力が出てきます。そのため古い体質が維持されてしまうのです。


一方、小さな自治体は、フットワークが軽く、組織を変えやすい。でも、規模が小さいぶん、予算も少ない。デジマケのチームができても、十分な予算が割り当てられないのが実情です。


しかし、そんな現状を変えていかなければなりません。そこで、私たちのVpon JAPANのようなインバウンドデータを扱う企業が、セミナーを開いたり、自治体の観光担当者とミーティングを繰り返したりして、デジマケの必要性を伝えているのです。


Q.データを視覚化する意味を教えてください


③④⑤の質問は、データを集め、使える状態にし、可視化できているかどうかのチェックです。の質問にある「視覚化ツール」はとても重要な要素。データはわかりやすく視覚化され、誰もが使える状態になっているのが望ましいものです。自治体は人員の異動が多いので、後任の人がすぐに使えるようなものでなければいけません。大阪観光局では、職員全員のPCにこのような画面を表示することができます。


大阪観光局内で共有しているデータ情報


このトップ画面から、さまざまなデータをスピーディに引き出すことができます。例えば、上司から「昨年のあのイベント、どのくらいの動員があった?」と聞かれた場合。職員全員が共有する「視覚化ツール」がなければ、探すのはひと苦労です。そのイベントを担当した部署にメールを書き、動員数を尋ねるという手間が必要かもしれません。日本はいまだに“紙文化”が強い国。紙の資料しかなく、過去の動員数を探すのに一日がかりなんていう事態も発生します。


Q.最適な予算配分「3:6:1の法則」とは何ですか?


質問の⑥⑦では、データ分析結果をもとに、「コンテンツ開発」「プロモーション」「効果検証」ができているかを調べます。Plan→Do→Check→Actionの「PDCAサイクル」が作られているのが理想です。


PDCAサイクル

この「コンテンツ開発」「プロモーション」「効果検証」の過程では、最適な予算配分も重要なポイントです。Googleで観光立国推進部長を務める陣内裕樹さんは、「3:6:1の法則」、通称“サーロインの法則”を提言しました。デジマケ業界ではかなり浸透している法則です。


理想的な予算配分「サーロインの法則」


これは、「コンテンツ開発」「プロモーション」「効果検証」の予算配分は、3:6:1の割合が最適とするもの。でも、日本の現状はかけ離れています。


日本の多くの自治体は観光客を呼ぶためにWEBサイトを開設しています。とてもスタイリッシュで、「よく作られているな」と感じるものが結構あります。でも、ほとんどビュー数がないサイトが多過ぎです。税金を使って作っているのに、「誰も見てくれない」では済まされません。その原因は「3:6:1の法則」が崩れているからです。


僕がこれまで見てきた感覚的な印象ですが、日本ではサイト開設に1000万円の予算があると、「サイト開発に900万円、プロモーションに80万円、効果検証に20万円」という感じでお金が使われます。「3:6:1の法則」ではなく、「9:0.8:0.2の法則」。開発にお金をかけ過ぎているのです。


でも、開発よりも、見てもらうことのほうが重要。半分以上の予算をプロモーションにまわすべきです。サイトは紙媒体と違って、修正や付け足しも可能です。ある程度のものを作り、利用者の反応を見ながら直していく。初めから完璧なものを作る必要はないのです。「とりあえず、スピード優先で動いてみる」。インバウンドデータの推進には、その意識が大切ですね。


構成 川岸 徹


篠原好孝 Shinohara Yoshitaka

Vpon JAPAN株式会社 代表取締役社長

1979年、東京都生まれ。学習院大学経済学部経営学科卒業後、LVMH Louis Vuitton Japanにてセールス&マーケティングに従事。2006年、株式会社Simplenaを創業し、代表取締役就任。業務改善コンサルティング、中小企業向けのWEBマーケティング支援事業を展開する。同時にBecome Japanにて事業開発、InMobi Japanにてスマートフォン広告の事業開発を統括。’14年8月にVpon JAPAN株式会社の立ち上げ代表取締役社長に就任。ビッグデータを駆使したインバウンドデジタルマーケティングソリューションを手掛ける。「日本から世界を幸せにするヒト・モノ・コトを創出しニッポンと世界を繋ぐ」べく、インバウンド領域を中心に事業を展開している。また、目白少年サッカークラブコーチとしても活動している。

Vpon:https://www.vpon.com/jp/


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